日本の国会、自衛隊の海外任務拡大を承認
東京(CNN) 参議院は19日未明、国内で大きな論議を呼んでいた安全保障関連法案を可決した。これにより自衛隊は限定的な条件のもと海外での戦闘に参加できるようになり、日本は70年に及んだ平和主義からの大きな転換点を迎えた。
賛成票は148、反対票は90で、約半年以内に施行される。衆議院は7月に同法案を可決していた。
同法案は、第2次世界大戦後に平和憲法として制定された日本国憲法第9条の解釈を変更するもの。9条は国際紛争の解決手段としての戦争を禁じている。「自衛隊」として知られる日本の軍隊は、この解釈変更により、限定的な役割のもと海外の紛争で同盟国を守ることが可能になる。
自衛隊の海外での活動はこれまで、人道的な役割にとどまっていた。
憲法9条1項は「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と定めている。
安倍晋三首相が推進したこの法案に対しては、激しい怒りと反対が声高に叫ばれていた。東京ではこの数カ月にわたり、大規模なデモが行われたほか、今週には国会でももみ合いがあった。
参院平和安全法制特別委員会では17日、野党議員が採決を引き伸ばそうとする中もみ合いが発生。結局同委員会が法案を可決し、19日の本会議採決へと進んだ。