タリバーン、アフガン南部の要衝をほぼ制圧
カブール(CNN) アフガニスタン南部ヘルマンド州のサンギン地区が22日までに、反政府武装勢力タリバーンにほぼ制圧された。同地区では数日前から戦闘が激化していた。
サンギン地区の警察責任者によると、タリバーンはすでに、同責任者宅とアフガン軍拠点の2カ所を除く全域を占拠した。
アフガンでは昨年12月、北大西洋条約機構(NATO)主導の国際治安支援部隊(ISAF)が任務を終了し、治安権限を政府に移譲した。それまでの数年間、サンギン地区では米英軍とタリバーンが激戦を展開していた。
同地区はヘルマンド州の州都ラシュカルガーと州北部をつなぐ戦略的要衝。タリバーンはここを掌握すれば、北方への物資補給ルートを確保することになる。
警察責任者によると、サンギン地区での戦闘は1カ月以上続いていたが、戦況はこの3日間、最悪の状態に陥っていた。警察では多数の死者が出て、弾薬も底をつきかけているという。
ヘルマンド州の副知事は先週末、同州がタリバーンに制圧される恐れがあるとして、ガニ大統領に救援を求める異例の公開書簡をフェイスブックに投稿していた。
副知事はこの中でサンギン地区に言及。中心部の市場や政府機関がタリバーンの猛攻にさらされ、ゲレシュク地区と合わせてアフガン治安部隊員90人が死亡したと訴えていた。