ベルギーで年末年始にテロ計画か、2人逮捕
(CNN) ベルギーの連邦検察は29日、首都ブリュッセルで新年を祝うイベントなどを狙ったテロを計画していた疑いで2人を逮捕したと発表した。
同国の対テロ当局幹部が匿名でCNNに語ったところによると、逮捕されたのは「カミカゼ・ライダーズ」と名乗るイスラム系暴走族のメンバー。ブリュッセル中心部の大広場「グラン・プラス」など市民らが年越しに集まる場所や、警察、軍の施設に対するテロ計画を話し合っていた。
過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に影響された計画だったものの、直接指示を受けていたわけではないという。
検察によると、当局は年末年始にブリュッセル市内の主要数カ所でイベントを狙う計画があるとの情報に基づき、27日から28日にかけてブリュッセル首都圏の数カ所や近隣のフレミッシュ・ブラバント州、東部の都市リエージュで家宅捜索を実施していた。計画の詳細は公表されていない。
捜索ではコンピューター関連機器や軍隊式の訓練服、ISISの宣伝文書が押収された。
先月パリで起きた同時多発テロ事件には複数のベルギー在住者が関与していたとされるが、今回のテロ計画と同事件の間に関連性は見つかっていない。
逮捕された2人の名前は未公表だが、対テロ当局者によればブリュッセル近郊在住で、強盗などの犯罪に関与した前歴があるという。2人は武器を容易に入手できる状況だったため、警察はテロ計画についての話し合いを察知した後、ただちに逮捕に踏み切ったとみられる。
ベルギーからの報道によると、カミカゼ・ライダーズは過去にもテロ捜査の対象となったことがある。元リーダーは2013年、シリアでイスラム過激派の戦闘に参加していた兄弟からブリュッセルの裁判所を攻撃する計画について電話連絡を受けたとして、一時的に身柄を拘束された。さらに少なくとももう1人のメンバーが、過激派の活動にかかわっていたとされる。
専門家の指摘によると、欧州では最近、イスラム教系不良集団のメンバーが獄中などで過激派思想に感化され、テロ活動に加わるケースが目立っている。