エチオピアで深刻な干ばつ、80年代の大飢饉再来も

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エチオピア北東部に広がるダナキル砂漠

エチオピア北東部に広がるダナキル砂漠

ワシントン(CNN) アフリカのエチオピア北部で干ばつの被害が深刻化している。100万人の死者を出した1984年の大飢饉(ききん)を上回り、過去数十年で最悪の事態に陥る恐れもあると専門家は予想する。

米政府は人道危機に対応し、米国家安全保障上のリスクを避ける目的で、現地に災害対策支援隊を派遣すると発表した。

84年のエチオピアの大飢饉では大勢の子どもが犠牲になり、故マイケル・ジャクソンやスティービー・ワンダーなどのスター歌手が結集して85年、チャリティーソングの「ウィ・アー・ザ・ワールド」を収録した。

エチオピア政府によると、今回の干ばつでは推定1020万人が食料援助を必要としているほか、約800万人が慢性的な食料不足に陥り、最大で200万人が安全な飲み水を必要としている。国連は、援助を増やさなければ最大で1500万人が急性栄養失調になりかねないと予想する。

米国際開発局(USAID)は3日、「大規模な人道危機を食い止め、エチオピアの発展を守るために行動する」として、災害対策支援隊の派遣を発表。他国にも支援に加わるよう呼びかけた。

米政府はエチオピア支援について、米国の国家安全保障にもかかわる問題と位置付ける。USAIDの広報は、「気候関連の問題が差し迫った課題として我が国の安全を脅かし、自然災害の増加や難民の流入をもたらして、食料や水といった資源を巡る争いを発生させかねない」と警鐘を鳴らす。

食料が不足して仕事もなければ若者は過激派組織に流れ、難民や移民が増えて人口密集地の安定は損なわれる。

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