シリア軍、ISISからパルミラ奪還の構え 国営メディア
(CNN) シリア政府軍が同国中部のパルミラに入り、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」から同市を奪還する構えを見せている。シリア国営メディアが24日に報じた。
国営メディアの映像には、シリア政府軍がパルミラ南西部に進入しているとする様子が映し出されている。キャスターによれば、政府軍は近く、歴史的な遺跡がある同市近郊のタドムルで「ISISのテロリストの掃討」に成功したと発表する見通しだとしている。
国営メディアなどは前日、政府軍がパルミラ近郊の戦略的要衝となっている丘を奪還したと伝えていた。
一方、シリア政府軍がパルミラ奪還の構えを見せているとの報道を受け、ISISは同市を依然として掌握しているとする動画を公開。動画はパルミラの人けのない通りを映した後、ISISの戦闘員が砂漠でタンクの上に座っている映像に切り替わった。パルミラ入りを目指すいかなる部隊も撃退するとしている。
CNNではこの映像の信憑性(しんぴょうせい)を確認できていない。
ISISは昨年5月、パルミラを制圧。6月に同市の歴史遺跡の破壊を始め、2カ月後には1800年の歴史を持つ凱旋門(がいせんもん)のほか、2000年近い歴史があるバール・シャミン神殿なども破壊した。国連教育科学文化機関(ユネスコ)は神殿の破壊について、戦争犯罪だとしている。