租税回避地めぐる「パナマ文書」が流出、世界の指導者らの名前も
(CNN) タックスヘイブン(租税回避地)での会社設立を代行するパナマの法律事務所から膨大な内部文書が流出し、この中にプーチン・ロシア大統領の関係者や国際サッカー連盟(FIFA)倫理委員会のメンバーらによる取引の記録も含まれていたことが分かって波紋を呼んでいる。
「パナマ文書」と呼ばれるこのファイルは、南ドイツ新聞がパナマのモサック・フォンセカ法律事務所から匿名の情報筋を通じて入手し、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が4日に公開。英BBCテレビや英紙ガーディアン、米紙マックラッチーが相次いで報じた。
40年前までさかのぼる全1100万件の文書で、世界各国の著名人らがタックスヘイブンに秘密のダミー会社やオフショア(非居住者向け)金融口座を設けていた記録が含まれている。
同文書は不法行為を直接示しているわけではないが、ダミー会社やオフショア口座は所得や資産を隠し、租税を回避する目的で使われた可能性がある。ICIJによれば、流出ファイルには米国で汚職罪に問われている人物や、麻薬密輸やテロへの関与が疑われる会社、人物の情報もあった。
現職を含む世界の指導者12人のほか、政治家や公職者128人の名前が挙がっている。アイスランドのグンロイグソン首相が夫人を通してオフショア会社にかかわっていたとする情報や、アルゼンチンのマクリ大統領がブエノスアイレス市長時代に資産を正しく公開していなかったことを示す情報も書かれていたとされる。