ロシア、新型潜水艦を積極配備 冷戦後最大の攻勢
ロシアは北極線周辺で海軍基地の追加や設備更新を進め、現在は12カ所に基地がある。大西洋へ抜けるグリーンランドからアイスランド、英国へとつながる戦略的な海域へ複数の潜水艦派遣が見込める能力を獲得しつつあることを意味する。この海域は米国やNATO加盟国の領海により近い。
ロシアはまた、黒海に潜水艦6隻を最近配備し、地中海への進出手段をさらに広げた。
米国は、ロシアがより強力な兵器を積む新たな潜水艦の全面的な展開とも言える動きに強い懸念を抱いている。この措置の背景には多数の狙いがあるとし、NATOや米国による旧ソ連圏諸国内での軍事活動の封殺も含まれると見ている。
ファーガソン司令官は、ロシアの主要な目標の1つはNATOが押さえる海域の境界線周辺でNATOや米国の活動能力を削ぐため、自らの海軍戦闘能力を構築することにあると指摘した。
ロシアによる新型潜水艦の増強などを受け、米国とNATO同盟国は新たな対潜作戦を盛り込んだ訓練演習を開始している。対潜哨戒機P8の利用を含む追加の対応措置などが含まれている。
バルト海の公海上では今週、ロシア軍戦闘機が米軍のミサイル駆逐艦「ドナルド・クック」に最短で約9メートルまで異常接近する事態も発生していた。米海軍司令官らは冷戦後、これまでなかった危険行為と批判していた。