中国軍機が南沙諸島に着陸、米国防総省は抗議
ワシントン(CNN) 米国防総省は18日、複数の国が領有権を争う南シナ海・南沙(スプラトリー)諸島の人工島に中国が軍のジェット機を着陸させたことに抗議した。
国防総省のデービス報道官によると、中国軍機は17日、南沙諸島にあるファイアリー・クロス礁に着陸した。中国側は、具合が悪くなった作業員3人を救出するための人道作戦だったと説明。これに対してデービス報道官の声明では「中国が民用機ではなく軍用機を使った理由が分からない」と指摘し、「中国が約束を守り、スプラトリー諸島の拠点で軍用機の配備や巡回を行う計画がないことを再確認するよう求める」とした。
米国やフィリピンは中国による南シナ海での人工島建設について繰り返し懸念を表明してきた。特にファイアリー・クロス礁の人工島を巡っては、中国が大型の軍用機にも使用できる滑走路を建設したことから警戒を強めていた。こうした島が軍事利用されれば同地域での力の均衡が崩れる恐れもある。
米国は中国による領有権の主張に対抗するため、人工島の至近距離を航行する「航行の自由」作戦を継続する方針。
米国防総省のカーター長官は先週フィリピンを訪問した際に、南シナ海での軍事演習に参加した米海軍空母「ジョン・C・ステニス」に乗艦。「南シナ海における中国の行動は特に懸念を生じさせ、地域の緊張を高めている」「米国は、この地域の繁栄につながってきた法令や原則の順守を訴えるアジア太平洋の同盟国や友好国の求めに応える」と強調していた。