イラク、ファルージャ解放作戦開始を宣言 住民に退避要請
(CNN) イラクのアバディ首相は23日未明、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に支配されている中部ファルージャの解放作戦を開始すると宣言した。
首都バグダッド市内にある統合作戦司令部から国営テレビの生放送を通して発表し、治安部隊が住民を安全に退避させると述べた。
イラク軍報道官は22日のテレビ番組で「ファルージャの解放作戦が数日中に始まる」と述べ、住民に安全な退避路へ向かうよう呼び掛けていた。
統合作戦司令部によると、市内には通行証となるビラ数千枚が空からまかれた。
ファルージャはイスラム教スンニ派が多数を占めるアンバル州に位置し、イラク戦争でも2回にわたり激しい戦闘の舞台となった。2014年1月からISISに支配されている。
国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は先月、ファルージャで民間人がISISに退避を阻止され、占領の長期化による食料不足や物価高騰で飢えに苦しんでいると警告していた。
イラク治安部隊とシーア派民兵の統合組織「人民武装軍団(PMU)」は21日、30世帯の住民を無事に退避させたという。市外へ逃れられない住民には、自宅に白旗を掲げるよう指示が出された。軍は避難を希望する世帯に対し、緊急回線で電話または文字メッセージを送るよう呼び掛けている。