スコットランド行政府首相、EU首脳と会談 単独の残留訴え
ロンドン(CNN) 英スコットランド自治政府のスタージョン首席大臣は29日、ベルギー・ブリュッセルの欧州連合(EU)本部を訪問し、EU首脳に対しスコットランドのみのEU残留を働きかけた。
欧州議会のシュルツ議長と会談したスタージョン氏は「EUとの関係を守りたいというスコットランドの要望を明確に伝えた」と述べた。
英国で23日に行われたEUからの離脱の是非を問う国民投票の結果、スコットランドでは残留支持が62%に達した。スタージョン氏はスコットランド単独でのEU残留について「簡単な道のりだとは思っていない。今日の会談を皮切りにブリュッセルでの協議が続くことになる。一連の話し合いを通じて、スコットランドが英国の他の地域のようにEU離脱を望む立場ではないことを理解してもらいたい」と訴えた。
スタージョン氏は28日には、欧州委員会のユンケル委員長らと会談。欧州におけるスコットランドの立場を堅持するため、英国からの独立に関する2度目の住民投票を実施する可能性にも言及した。
2014年に実施された独立をめぐる住民投票は英国への残留支持が55%を占め、独立派を上回った。それでもこのときの僅差での決着は「スコットランドの置かれた状況に極めて現実的かつ実質的な変化をもたらした」とスタージョン氏は指摘している。