著名ジャーナリスト、ウクライナ首都で爆死 暗殺か
(CNN) ウクライナの首都キエフで20日、著名ジャーナリストのパーベル・シェレメト氏(44)が運転中の車の下に仕掛けられた爆弾により殺害された。
シェレメト氏はベラルーシ出身。ベラルーシ、ウクライナ、ロシアの指導者に対する歯に衣着せぬ批判で知られていた。
同氏が記事を執筆していたインターネット報道機関「ウクライナの真実」によれば、事件当時は出演予定の独立系ラジオ局に向かっていたという。
ウクライナのポロシェンコ大統領は事件について「恐ろしい犯罪」だと述べ、迅速な捜査を命じた。
また大統領は、米連邦捜査局(FBI)や欧州連合(EU)の専門機関など諸外国にも捜査協力を求めたと語った。
シェレメト氏は1997年にベラルーシのルカシェンコ政権を批判した報道で投獄され、その後、国籍をはく奪された。
ロシア国営テレビ局ORTで働いた後、ウクライナに活動の場を移してウクライナの真実で記事を書くようになった。同メディアを創設したゲオルギー・ゴンガゼ氏は2000年に誘拐・殺害されている。
ロシア外務相は声明を出し「ロシア国民であるシェレメト氏の殺害に衝撃を受けている」と述べる一方で「今日のウクライナではよくあることだが、この残酷な殺人について一部のロシア嫌いの人々が『ロシアの(関与を示す)証拠』に飛びついている」として、事件がロシアと関係があるかのような憶測が出ていると非難した。