ケニア、台湾人5人を中国へ「送還」 4月に続き2度目
香港(CNN) 台湾当局は9日までに、台湾人5人が詐欺事件の容疑者としてケニアから中国へ引き渡されたとして、これに抗議する声明を出した。同様の事態は今年4月にも起きていた。
台湾の対中政策を担う行政院大陸委員会は声明で、ケニアの動きを「人権軽視」と非難した。
中国国営新華社通信によると、詐欺事件の容疑者40人が8日にケニアから中国へ引き渡され、中国側の警察に拘束されている。この中に台湾人5人が含まれていた。
容疑者らは総額6000万円余りに上る数十件の詐欺事件に関与した疑いで、2014年11月にケニア警察に逮捕されていた。
4月にケニアから中国へ引き渡された容疑者らも、同じ集団に属していたとされる。第1陣の中には45人の台湾人がいた。電話やインターネットを使って手の込んだ詐欺を繰り返していたとされ、大半はケニアでの裁判で無罪となった後、中国当局によって起訴された。中国当局者らによると、台湾人容疑者も中国へ移送された後、罪を認めたという。
中国外務省の報道官は当時、「『一つの中国』政策は中国と他国との二国間関係における重要な前提条件だ。ケニアによる同政策の履行を評価する」と述べていた。
ケニアは台湾を承認せず、外交関係も結んでいない。