メルケル独首相、難民政策の不備に言及 議会選の敗北受け
(CNN) ドイツのメルケル首相は19日、首都ベルリンで実施された議会選挙で極右政党が支持を伸ばしたことについて、政府による難民政策の不備が招いた結果だとの見方を示した。
18日に行われた選挙で、移民反対を掲げる政党「ドイツのための選択肢」は14.2%の票を獲得。議会で初の議席を確保した。メルケル首相率いる中道右派のキリスト教民主同盟(CDU)は得票率17.6%にとどまり、中道左派の社会民主党と組んでいた連立与党から脱落した。
メルケル首相は選挙結果を受け、これまでの難民政策に誤りや不備があったと分析。「もしできることならドイツ政府がもっとうまく準備できるよう、時間を元に戻したい」と述べ、「我々はこの数年、何もかも正しくやってきたわけではない」と認めた。
社会民主党は得票率21.6%で第1党となったが、左派の左翼党(得票率15.6%)や緑の党(同15.2%)と連立を組む必要に迫られる。
ドイツが難民を積極的に受け入れる政策を打ち出して以来、メルケル首相が選挙で敗北したのはこれで2度目となる。
2015年以来、ドイツが受け入れた難民は欧州で最も多い100万人を超えた。しかし世論調査では国民の82%が難民政策に不満を持っていることが判明。これについてメルケル首相は19日、「外国人、特にイスラム系の人たちを受け入れないというのなら、それは我が国の憲法で保障された権利にも、キリスト教民主主義にも、また個人的信条にも反する。私もCDUもその道を代表することはできない」と強調した。