ロシア、シリア沖へ空母派遣 国連では米ロ外相が応酬
(CNN) 国連で各国の外交官がシリア停戦の立て直しに向けた協議を進めるなか、ロシア当局は22日までに、同国唯一の空母をシリア沖の海域に向けて派遣していると発表した。ロシアの複数の国営通信が報じた。
複数の国営通信がショイグ国防相の話として伝えたところによると、空母「アドミラル・クズネツォフ」は地中海東部に派遣され、シリア沖で他のロシア艦船と合流する見通し。同空母には数十機の軍用機が艦載されているという。
今回発表された計画は、停戦が崩壊した場合の緊急対応策の可能性もある。
ロシアによる空母派遣の発表に先立ち、シリアでは戦闘が激化していた。19日夜には人道支援物資を積んだシリア赤新月社の車列が爆撃され、死者も出ていた。
米国のケリー国務長官は国連で発言し、停戦は「風前の灯火」だと指摘。支援物資を積んだ車列への攻撃については「言語道断」と非難した。シリアにおける国際社会の対応は「まったく不十分だ」とも述べた。
ケリー長官は、シリア政府による民間人を標的とした攻撃を阻止するため、シリア上空を飛行する全ての軍用機を地上に待機させるべきだと主張した。
一方、ケリー長官の前に発言したロシアのラブロフ外相は、米国の影響下にあるシリア反体制派勢力の動きを抑えるための米国側の努力が不十分だと指摘した。