比大統領、トランプ氏当選を好感 「どちらも悪態好き」
(CNN) 反米発言を繰り返し2国間関係も悪化させていたフィリピンのドゥテルテ大統領は9日、米国次期大統領にドナルド・トランプ氏が決まったことを受け、「同氏がいる米国とは戦いたくない」との見解を示した。
「トランプ大統領を祝福したい。万歳!」と表明。さらに、「2人は共に悪態をつくのが好き。ささいなことでもののしることで似たもの同士」とも続けた。
米比関係は、オバマ大統領がドゥテルテ氏の強権的な麻薬撲滅対策を非難したことなどで険悪化。ドゥテルテ氏は今年9月、オバマ氏を「ろくでなし野郎」とも罵倒(ばとう)していた。また、10月には米比間の合同軍事演習は来年限りで廃止する意向も表明していた。
しかし、フィリピンのロレンザーナ国防相は10日の声明で、ドゥテルテ大統領が米国との軍事訓練を継続することに合意したと発表。攻撃面を主眼にした演習などを廃止して規模を縮小させ、合同訓練などを重視して続けると述べた。
ドゥテルテ氏は米国と距離を置く方針を前面に出す一方で、10月には南シナ海の領有権問題でにらみ合う中国を訪問し、関係正常化に乗り出していた。同大統領は中国訪問中、米国との同盟関係は終わったとまで宣言し、「米国は敗北した」とも言い切っていた。