オーストリア大統領選、やり直し決選投票 極右候補有力か
(CNN) オーストリアで4日、大統領選の決選投票が実施される。5月の決選投票で開票作業に不正があったとして、やり直しが決まっていた。
5月の投票では「中道不在」と呼ばれた接戦の末、元「緑の党」党首で無所属のアレクサンダー・ファンダーベレン氏が極右政党「自由党」のノルベルト・ホファー氏を破る結果が出ていた。不在者投票分が決め手となり、ファンダーベレン氏の得票数がホファー氏を3万票上回ったが、この結果は無効とされた。
今回も両氏の一騎打ちとなる。自由党は欧州連合(EU)の経済、移民政策に対する不満を背景に人気を伸ばしてきた。ホファー氏は先月、ドナルド・トランプ氏が米大統領選を制したことでさらに弾みをつけたとの見方もある。
同氏は当初、EUからの離脱に向けた国民投票の実施を支持するとの姿勢を示していたが、最近は立場を修正している。自由党の報道担当者がCNNに語ったところによると、同氏はEU内の分権化やオーストリアの役割強化を目指す構えだという。
一方のファンダーベレン氏は両親が一時難民キャンプに滞在していたこともあり、移民に寛容な政策を主張してきた。
オーストリアの大統領は現在、象徴的な存在にとどまっているものの、欧米各地で既存政治への反感が強まるなか、国民がどちらの路線を選択するのかが注目される。