リビア部隊、中部シルトのISIS支配地を全て奪還
(CNN) リビア統一政府系の部隊が過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に支配された中部シルトの奪還を目指していた作戦で、市内に残っていたISIS支配地区が6日までに全て制圧された。
作戦の報道官がCNNに語ったところによると、部隊は現在、ISISが仕掛けていた地雷や即席爆弾の撤去作業を進めている。同報道官は「いずれシルトの完全な解放が宣言されるだろう」と述べた。住民らは神をたたえる言葉を唱え、喜び合っているという。
シルトは同国の元最高指導者、カダフィ大佐の出身地として知られる港湾都市。イラク、シリア以外でISISに支配された唯一の主要都市だったが、今年5月以降、西部ミスラタの民兵を中心とする部隊が奪還作戦を展開していた。
部隊は自爆テロや狙撃など激しい抵抗に遭い、作戦は難航。8月には米軍が空爆による援護を実施していた。
同報道官によると、作戦では部隊のメンバー少なくとも715人が死亡、3000人以上が負傷した。
リビア国内の主な支配地はこれで制圧されたとみられるが、ISISの残党は各地に存在している。ISISの台頭を許した背景は今も残り、国民の生活や公共サービス、治安は悪化するばかりだ。民兵同士の勢力争いや政界の権力争いが絶えず、首都トリポリでは先週から、過去2年間で最悪ともいわれる規模の衝突が起きている。