入植に非難決議 イスラエル、米の拒否権不行使に反発
ワシントン(CNN) 国連の安全保障理事会で、イスラエルの入植活動を非難し、即刻中止を求める決議案が採択されたが、米国が拒否権を行使せず棄権したことに対し、イスラエルが強い反発を示している。
ケリー米国務長官は声明で、二国家共存の可能性を守るために棄権の道を選んだと明言した。
決議案はイスラエルが東エルサレムを含む占領地で進める入植活動の全てをただちに中止するよう求める内容。エジプトが提案し、イスラエルの反発でいったん取り下げたが、ニュージーランドとベネズエラ、マレーシア、セネガルの4カ国が23日に改めて提出した。採決では賛成14、棄権1で採択された。
米国は中東和平の軸としてイスラエルとパレスチナの「二国家共存」という原則を支持してきた。入植活動はその妨げになると主張してきたオバマ政権が任期切れを控え、イスラエル批判を改めて鮮明にした形だ。
イスラエル高官は採決に先立ち、米国が拒否権を行使せず採択を許せばイスラエルを見捨てることになると主張していた。一方、パレスチナ指導者は「我々の住民と信念の勝利だ」と述べて採択を歓迎した。