ロシア、シリア停戦合意を発表 和平協議入りも
イスタンブール(CNN) 内戦が続くシリア情勢に関連し、ロシアのプーチン大統領は29日、シリア政府と反体制派が停戦をめぐる条件で合意したと発表した。ロシア国営タス通信がプーチン氏の発言として伝えたところによれば、双方は和平協議入りすることでも一致したという。
シリア国営のシリア・アラブ通信(SANA)によると、シリア政府軍の総司令部は、30日午前0時に作戦行動を停止したことを明らかにした。ただし、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」や他のテロ組織に対する作戦は対象外だとしている。
在英の非政府組織(NGO)「シリア人権監視団」のラミ・アブドルラフマン代表によると、シリア国内の大半の地域では停戦開始以降、状況が沈静化している。ただ、停戦発効後2時間以内に、一部地域で政権軍と反体制派の武力衝突が複数報告されたという。
トルコのチャブシオール外相はこれに先立ち、ロシアとトルコが停戦合意の保証国になるとの見通しを示していた。トルコ外務省によれば、ISISなど国連安全保障理事会によりテロ組織とみなされている団体は停戦合意から除外されるという。
プーチン氏はロシア外相や国防相との会合で停戦合意の成立を発表。停戦合意、停戦監視のための一連の措置、和平協議入りの準備が整ったことを示す宣言文をそれぞれ盛り込んだ3文書に署名が行われたと明かした。合意は非常に脆弱(ぜいじゃく)なものであり、「特別の注意と忍耐」を要するとも指摘した。