仏FNのルペン氏、レバノンでベール着用拒否 会談中止に
ベイルート(CNN) 仏大統領選の有力候補とされる極右政党、国民戦線(FN)のルペン党首は21日、訪問先のレバノンでイスラム教の女性が頭を覆うスカーフの着用を拒否し、予定されていた大ムフティ(イスラム法最高権威者)との会談を中止した。
ルペン氏は記者団に、スカーフの着用を求められて驚いたとコメント。2015年にエジプトを訪れて同国の大ムフティと会談した時は着用せず、要求もされなかったと語った。
これに対して大ムフティの報道担当者はCNNとのインタビューで、ルペン氏には会談前にスカーフを着けるよう前もって伝えていたと主張し、同氏の「不適切な行動」に「遺憾」を表明した。同担当者が入り口で出迎えて白いスカーフを手渡そうとしたが、ルペン氏は受け取らずに着用を拒否し、そのまま立ち去ったという。
FNのフィリポ副党首は直後にツイッターでこの件に言及し、「フランスと世界の女性たちに向けた自由と解放のメッセージだ」と称賛した。
ルペン氏はかねてイスラム教のベールに反対の立場を示し、公共の場では宗教的シンボルを全て禁止するとの公約を掲げてきた。
フランスでは2011年以降、全身を覆い隠す「ブルカ」や目以外の顔を覆う「ニカブ」を公共の場で着用することが禁止されている。