マレーシア首相、北朝鮮を初めて名指しで非難 金正男氏殺害
(CNN) 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏の殺害事件で、マレーシアのナジブ首相は8日、名指しで北朝鮮政府に初めて言及し、事件への関与を公然と非難した。
事件の背後に北朝鮮政府がいることを公に主張していたのはこれまで韓国の情報機関のみだった。殺害は金委員長の命令によるものともしていた。
マレーシア国営のベルナマ通信によると、首相は「我々がいま直面しているのはマレーシアもしくはマレーシア領内で自らの住民を暗殺した北朝鮮当局の行動の結果である」と言い切った。「厳しく禁止されている化学兵器も用いた」と述べた。
北朝鮮当局はこれまで事件への関与を再三否定し、捜査手法を不当としてマレーシア側を非難してもきた。マレーシア側が容疑者や重要参考人として位置付ける北朝鮮人も北朝鮮大使館内にいるとみられ、引き渡しなどを求めているが応じる姿勢を見せていない。
事件は外交摩擦にも発展しており、両国の大使の国外退去に加え、相手国民の出国を阻止する異例の措置にも踏み切っている。
国連によると、北朝鮮内にいるマレーシア人は11人。大使館館員4人とその家族、世界食糧計画の男女職員計2人となっている。マレーシア政府によると、これら11人が日常生活を送る上で不自由はないという。