空爆で民間人300人近く死亡の情報、米軍が調査
ワシントン(CNN) シリアとイラクで今月行われた3件の空爆で両国の民間人合わせて300人近くが死亡したとされる問題をめぐり、米軍が自軍の攻撃が原因かどうかを調査していることが25日までに分かった。
米国防総省の当局者は、3件とも民間人の犠牲が指摘されているものの、いずれも状況は異なり複雑だと指摘。これまでのところ、空爆をめぐる米軍の手続き上の問題を示す情報はないと強調した。米国は軍事作戦の停止は考えていない。
ただ、犠牲者の一部もしくは全てが米国の攻撃によるものとの可能性は深刻に受け止められており、イラクやシリアでの作戦行動を管轄する米中央軍は正確な事態の把握に努めているという。
最も大きな被害が出たとされるのはイラク北部モスル西部での攻撃だ。米軍によると、3月17~23日のいずれかの時点で米軍機から投下された爆弾で、民間人200人以上が死亡したとの情報があり、分析が進められている。被害情報は主に空爆に関する現地の報道やソーシャルメディアの記述に依拠している。
米国防総省の報道官は、有志連合がモスル付近で複数の空爆を行ったことを確認。さらなる調査のため、同省で民間人の犠牲を調査するチームにこの情報を提供する方針を示した。
ただ米当局者らは、米軍は地上に要員を配置していないため現地の報道を検証することは難しい場合もあると指摘。こうした報道は事態の解明に必要な正確な詳細を欠いていて、信頼性に欠ける場合もあるとしている。