脱北者、正男氏殺害を伝えるビラを北朝鮮に飛ばす 韓国
ソウル(CNN) 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム )氏がマレーシアで殺害された事件に関連し、脱北者の男性がこれに関する情報を風船に付け、韓国から北朝鮮に飛ばしていることが29日までに分かった。
朴相学(パクサンハク)氏はCNNの取材に、一般の北朝鮮国民に正恩氏の真の姿を示したいとの考えを示した。自身は韓国から送られてきたビラを拾った後、1993年に脱北したという。
マレーシア当局は、北朝鮮の工作員らが2月13日にクアラルンプールの空港で正男氏の顔に猛毒「VX」をこすり付けて殺害を実行したとの見方を示している。韓国の情報当局者らは正恩氏が殺害を直接命令したと主張。北朝鮮政府はこれを強く否定している。
朴氏は「韓国国民ですら正男氏暗殺のニュースを聞いてショックを受けていた」と指摘。「北朝鮮国民がどのように反応するか想像できるか」と記者に問いかけた。
メディアが厳格に統制されている北朝鮮では、殺害の情報は報道されていない可能性が高い。
朴氏は、風船に付けたビラやSDカード、USBメモリーを通じ北朝鮮国内の人々が外の世界を垣間見てほしいとの考え。以前にも風船を使いビラなどを北朝鮮に送った経験がある。
脱北者らによれば、北朝鮮政府はこれを敵対的行為とみなし、ビラは韓国のプロパガンダだと国民に伝えているという。