米、「シリア政策に変更なし」 標的の基地はロシアも使用
(CNN) 米軍が6日、シリア政府軍の基地に対して行ったミサイル攻撃について、米国防当局者は、標的とした基地はロシアも使用していたことを明らかにした。米国はこの日、複数回にわたってロシアと連絡を取り、攻撃について事前に警告していたという。
シリア国営テレビも米軍による攻撃を確認した。
米当局者によると、米軍はトランプ大統領の命令を受け、巡航ミサイル「トマホーク」59発を、シリア政府軍の基地に向けて発射した。この基地は、民間人を化学兵器で攻撃した戦闘機の拠点だったとしている。
米国防総省のデービス報道官によると、ミサイルは米東部標準時の午後8時40分(現地時間の午前4時40分)、基地の活動が最も少ない時刻に発射され、航空機や格納庫、ガソリンなどの倉庫、弾薬庫、防空システムなどを標的とした。
国防総省は声明の中で、「これまでに入った情報から判断すると、今回の攻撃でシャイラト空軍基地の航空機やインフラなどを損傷または壊滅させ、シリア政府が化学兵器を使える能力は減退した」との見方を示した。
国務省のティラーソン長官は同日夜の記者会見で、「我が国の政策やシリアに関する姿勢に変更はない」と強調。今回の攻撃は、化学兵器攻撃に「比類」する措置だと強調した。
米軍は今回の攻撃に関連して、4日に飛行場を発進し、化学兵器が使われた現場へ向かうシリア軍機をとらえたレーダー画像を記者団に公開した。爆撃を受けて損傷した同飛行場の画像も公開された。
米議員は全般的に、アサド政権に対する攻撃に踏み切ったトランプ大統領の決断を評価している。ただし、一方的に戦争を始める前に議会に相談するよう求める声も上がった。