中国爆撃機、「高度な警戒態勢」に 北朝鮮の有事を想定
ワシントン(CNN) 地上攻撃や巡航ミサイル発射能力を備えた中国の爆撃機が「高度な警戒態勢」に入っていることが21日までに分かった。米国防当局者が明らかにした。中国軍が北朝鮮の有事に備えて対応を準備している証しだとしている。
この当局者によると、当該の爆撃機が高度の警戒態勢を整えたのは19日。加えて異常な数の中国軍機が集結し、集中的な整備点検を行って即応態勢を整えている様子も米国が確認した。
北朝鮮によるミサイル実験などを受けて朝鮮半島の緊張が高まる中、中国軍の動向には「有事に備えた反応時間の短縮」を図る狙いがあると米当局者は分析。この有事には、武力衝突の可能性も含まれる。
北朝鮮の国営メディアは20日、北朝鮮が先制攻撃を仕掛ければ、米国と韓国は「一瞬のうちに全滅する」と威嚇した。
中国は以前から、北朝鮮の政情不安の可能性に対して神経をとがらせていた。
複数の米政府高官は20日、トランプ政権の対北朝鮮戦略では現在、中国が焦点になっていると指摘し、「中国が北朝鮮軍に圧力をかけたり、北朝鮮指導部を屈服させるとは誰も思っていない。しかし同戦略では、ほかの何よりも政治的解決策を見つけ出せる存在として中国に目を向けている」と語った。
当局者はこの戦略について、過去の米国の対北朝鮮政策を検証した結果に基づくと説明する。これまでの交渉はすべて失敗に終わる一方で、「中国が金政権に対して最大限の影響力を行使したことはない」と分析。北朝鮮は経済貿易の推定85%を中国に依存していることから、北朝鮮問題を解決するためには中国の関与が不可欠だと判断したとしている。