仏大統領選、2候補が閉鎖危機の工場訪問 熱弁で火花散らす
(CNN) 仏大統領選挙の決選投票を争う中道のエマニュエル・マクロン前経済相と極右のマリーヌ・ルペン氏の2候補がこのほど、閉鎖の危機にある工場を相次いで訪れて支持を訴えた。
舞台となったのは仏北部アミアンにある米ワールプール社の衣類乾燥機工場。同地はマクロン氏の地元だが、26日の訪問で主役の座を奪ったのはルペン氏だったようだ。
マクロン氏がアミアンの商工会議所で組合代表と面会していた間に、ルペン氏は工場の入口に急行。労働者の歓迎を受け、一緒に記念写真を撮ったりした。
ロイターが配信した動画でルペン氏は「マクロン氏はここに来ているのに、従業員と会う予定もストライキ中の労働者に会う予定もない。商工会議所の部屋の中で守られながら、2〜3人の都合のいい相手を選んで会うだけだ」と述べた。
「これはワールプールの従業員が直面している(工場閉鎖という)事態を軽視している証拠だと私は思う。私は自分の選挙陣営の会議を抜け出して皆さんに会いに来たというのに」
その後、マクロン氏も工場に到着。ストライキ中の労働者らはタイヤを燃やし「マリーヌ(・ルペン)大統領!」と叫んだが、マクロン氏は熱弁をふるって労働者らを引き込んだ。
「ルペン氏はこの工場を政治的な目的のために利用している」とマクロン氏は述べた。
「ルペン氏が当選したらこの事業は閉鎖される。他にも何十という工場がそうなるだろう。そこが私との違いだ。アプローチと中身が違う」
5月7日の決選投票ではマクロン氏の優勢が伝えられている。だがルペン候補はマクロン氏を「雲の上のエリート主義者」として攻撃することで自らの支持を増やそうとしている。