トランプ氏、アッバス議長と会談 中東和平の仲介役に意欲
ワシントン(CNN) 米国のトランプ大統領は3日、パレスチナ自治政府のアッバス議長とホワイトハウスで会談し、イスラエルとパレスチナの和平実現に向け、自ら仲介役を果たすと宣言した。
共同記者会見の中でトランプ大統領は、イスラエルとパレスチナに対して直接交渉を通じた和平の実現を呼びかけ、「暴力と憎しみの扇動」を阻止するために協調するよう促した。
アッバス議長は2国家共存による紛争の解決を支持すると述べ、東エルサレムをパレスチナの首都としたい意向を改めて強調。「あなたの指導力の下、あなたの勇気ある統率と見識の下、そしてあなたの素晴らしい交渉力の下で、歴史的和平合意の実現に向け、我々は真のパートナーになれると確信する」と語り、和平交渉の仲介役としてのトランプ大統領に期待を示した。
トランプ大統領はパレスチナとイスラエルに対し、1993年に調印されたオスロ合意の履行を求めると表明。近い将来、アッバス議長が「最終的かつ最も重要な和平合意」に署名できることを望むと語った。
ただ、和平合意の内容についてはトランプ大統領が大まかな言及にとどめたのに対し、アッバス議長はパレスチナ側の具体的な不満や要求に触れ、パレスチナ難民やイスラエルで投獄されているパレスチナ人の窮状を訴えて、そうした問題を解決することが重要だと力説。ヨルダン川西岸のイスラエル占領地についても、「我々の人民と我々の土地に対するイスラエルの占領を終わらせるべき時」と訴えた。
トランプ大統領はこの日の会談では、ヨルダン川西岸のイスラエル入植地にも、パレスチナのガザ地区を支配するイスラム組織ハマスにも言及しなかった。
およそ2カ月前にはイスラエルのネタニヤフ首相がホワイトハウスでトランプ大統領と会談し、トランプ大統領がネタニヤフ首相に対して「入植を手控えるよう」促していた。