韓国大統領選の争点、北朝鮮より汚職と経済か
ソウル(CNN) 韓国で9日に予定される大統領選の争点として、有権者の多くは汚職の撲滅や経済政策を挙げている。一方で緊迫化する北朝鮮情勢を背景に、高齢者層は安全保障対策に注目しているようだ。
前大統領の朴槿恵(パククネ)被告が弾劾(だんがい)、訴追された反動から、大統領選では「清廉潔白」のイメージが強い最大野党「共に民主党」の文在寅(ムンジェイン)候補が独走を続けてきた。
韓国の世論調査機関、リアルメーターが有権者に最も重要な争点を尋ねた調査によると、「根深い汚職問題の解決と改革に取り組む候補者の意思」と答えた人が最も多く、27.5%を占めた。
続いて24.5%が「国民生活と経済を回復させる能力」と回答。「国家の安全とリベラルな民主主義を守ること」との回答は18.5%で、3位にとどまった。
韓国の経済は今年、わずかながら回復するというのが公式の予想だ。だが国民の生活は苦しく、20代の学生からは「若者の雇用と経済発展が最も重要」という声が聞かれた。
安保分野では、北朝鮮に融和的な政策を掲げる文候補に対し、野党第2党「国民の党」の安哲秀(アンチョルス)候補と朴政権の与党だった「自由韓国党」の洪準杓(ホンジュンピョ)候補はともに強硬姿勢を主張している。
ギャラップとニュース専門局YTNが最近実施した世論調査によると、文候補の支持率は30代で圧倒的な高さを示す一方、60代以上では16%にとどまり、安候補や洪候補を支持する声が大半を占めた。
大統領選への関心は高く、高い投票率が予想される。CNNがインタビューした有権者は全員が「必ず投票する」と答えた。ギャラップの調査でも、対象者の91%が投票の意思を示している。