南アで新たな変異ウイルス発見　免疫回避、高い感染力の可能性

変異の結果、免疫が回避されてウイルスの感染力が強まることも懸念される。ただし当局者は、ワクチン効果に対する今回の変異株の影響について判断するのはまだ時期尚早だと言い添えた。これまでの変異株に比べた臨床症状の重さについても、さらなる調査が必要だとしている。

「この変異株の重大性についてはまだ完全には分かっていない。我々にとって最善の対策がワクチンであることに変わりはない」とデ・オリベイラ氏は強調し、ワクチンと免疫回避については研究の必要があると言い添えた。

英政府は２５日、英健康安全保障庁（ＵＫＨＳＡ）が同変異株に懸念を表明したことを受け、アフリカの６カ国を渡航制限の「レッドリスト」に追加すると発表した。

サジド・ジャビド英保健相は、南ア、ナミビア、レソト、ボツワナ、エスワティニ、ジンバブエから英国へ向かう便の運航を２６日正午から中止すると発表した。この６カ国はレッドリストに追加され、対象国から帰国する英国居住者や英国人、アイルランド人は、自費でホテルに１０日間、隔離滞在することが義務付けられる。

ジャビド保健相は、南アで確認された変異株についてはＵＫＨＳＡが調査中だとしながらも、デルタ株に比べて「感染力が強い可能性がある」と述べ、「現在利用できるワクチンの効果が低い可能性がある」との見方を示した。英国ではこれまでのところ、同変異株は検出されていないとしている。

世界保健機関（ＷＨＯ）は南アで検出された変異株を「監視下の変異株」に分類した。南ア当局者は２６日にＷＨＯへの説明を予定している。