ロックダウン下の中国で3歳の男の子死亡 「ゼロコロナ」政策に一段の反発

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新型コロナ検査の列に並ぶ人々=7月12日、中国甘粛省蘭州市/Yang Zhibin/VCG/Getty Images

新型コロナ検査の列に並ぶ人々=7月12日、中国甘粛省蘭州市/Yang Zhibin/VCG/Getty Images

香港(CNN) 新型コロナウイルス感染拡大防止策の一環としてロックダウン(都市封鎖)が敷かれている中国北西部の集合住宅で、ガス漏れとみられる事故の後3歳の男の子が死亡した。これが引き金となり、同国の厳格な「ゼロコロナ」政策に対する怒りの波が改めて巻き起こっている。

ガス漏れとみられる事故は、甘粛省の省都蘭州市の集合住宅で発生。男の子の父親はソーシャルメディアへの投稿で、男の子の治療を求めたものの、コロナ対策の作業員が自宅を出るのを阻止したと主張した。父親は治療の遅れが男の子の命を救えなかった原因だと考えている。

上記の内容が2日に投稿されると、世論から怒りと悲しみの声が噴出。中国大手SNSウェイボー(微博)の閲覧数は翌日にかけて数億件に達した。

主要なコメントのひとつは、「パンデミック(世界的大流行)の3年間が、彼の全生涯だった」と、男の子の死を悼んだ。

同様のケースは枚挙にいとまがない。ロックダウンの間、緊急医療へのアクセスを阻まれて多くの人が亡くなっている。それにもかかわらず習近平(シーチンピン)国家主席を含む当局者らは、自国のコロナ政策について「人民とその命を最優先している」と断言する。

蘭州市は、男の子の家族が暮らしていた地域を含め大部分が10月初旬からロックダウンに入っていた。

父親によると、今月1日の正午前後、妻と男の子の体調が悪化。ガス中毒の症状が見られたという。男の子の母親は父親が心肺機能蘇生の措置を施したところ回復したものの、男の子の方は昏睡(こんすい)状態に陥った。

父親は何度も救急車や警察を呼ぼうと試みたが連絡は取れなかった。集合住宅のロックダウンに携わっていた作業員に助けを求めたものの拒まれ、地域の当局者を頼るか救急車を呼び続けるように告げられたという。

何とか息子を助けたい思いから父親は最終的に男の子を連れて外へ出た。「親切な」住人が呼んでくれたタクシーで病院にたどり着いたが、時すでに遅く、医師が男の子の命を救うことはできなかった。

「もっと早く病院に連れて行けたら、子どもは助かったかもしれない」と、父親は書いている。

オンラインの地図によると、病院は男の子の家からわずか3キロしか離れていない。車で10分の距離だ。

蘭州市当局は3日に声明を出し、男の子が亡くなったことへの悲しみと家族に対する弔意を示した。その上で、男の子を救えなかった当局者や作業員については「重く対処する」と約束した。

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