「シベリアのユニコーン」、初期の人類と共存 新研究

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
初期の人類と同時代に生息していたという「エラスモテリウム・シビリカム」/Heinrich Harder/Wikimedia Commons

初期の人類と同時代に生息していたという「エラスモテリウム・シビリカム」/Heinrich Harder/Wikimedia Commons

(CNN) 頭部に巨大な角を持つことから「シベリアの一角獣(ユニコーン)」とも呼ばれる絶滅したサイ科の大型動物について、初期の人類と同じ時代にまで生きのびていたとする研究がこのほど学会誌に発表された。

体重3.8トンのこの動物の学名は「エラスモテリウム・シビリカム」。今回の研究では、東欧やアジア西部で少なくとも3万9000年前まで生息していたと分析している。これはネアンデルタール人や初期の現生人類が生きていた時代に相当する。

23の標本を対象に、放射性炭素年代測定や遺伝分析を行って生息年代を割り出した。従来は約20万年前に絶滅したと考えられていた。

生息地域は現在のロシア、モンゴル、中国北部、カザフスタンにかけての一帯。研究論文の執筆者らによると絶滅の原因は環境の変化にあった。えさとしていた低地の草が影響を受けると他の動物は高い位置にある木の葉などを新たなえさとしたが、エラスモテリウム・シビリカムにとってそうした食性の変更は体の構造上困難だったとみられる。

これに加え執筆者らは、限られた生息地域、少ない個体数、低い繁殖率なども環境変化に適応できず絶滅した要因として挙げる。一方で、人類の存在は絶滅の原因ではないとした。

こうしたエラスモテリウム・シビリカムの絶滅は、サイが環境変化に弱いことを示すうえで有益な事例になるという。

メールマガジン登録
見過ごしていた世界の動き一目でわかる

世界20億を超える人々にニュースを提供する米CNN。「CNN.co.jpメールマガジン」は、世界各地のCNN記者から届く記事を、日本語で毎日皆様にお届けします*。世界の最新情勢やトレンドを把握しておきたい人に有益なツールです。

*平日のみ、年末年始など一部期間除く。

「生き物いろいろ」のニュース

Video

Photo

注目ニュース

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]