500ユーロ紙幣、18年末までに廃止 犯罪対策で
ロンドン(CNNMoney) 欧州単一通貨ユーロを発行する欧州中央銀行(ECB)は8日までに、犯罪行為を助長しかねない懸念があるとして最も高額な500ユーロ(約6万1000円)の紙幣を段階的に廃止する方針を明らかにした。
2018年末には全面的に発行を中止する。同年には新たな紙幣の発行も見込んでいる。
ECBのドラギ総裁は今年、500ユーロ紙幣に関する記者の質問に対し、犯罪目的に使われているとの見方が広範にあり、増えてもいると述べていた。
欧州警察機構(ユーロポール)などは500ユーロ紙幣は犯罪当事者によるマネーロンダリング(資金洗浄)への関与を容易にしているなどと主張。ユーロポールは昨年、テロリストの間では現金取引が多く、500ユーロ紙幣は高い需要があると報告していた。
同紙幣は市場に出回っている全ての紙幣のうち30%余を占めているが、通常の商業取引で重用される紙幣ともなっていない。
欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会は今年、テロ組織の資金源を遮断させる方途についてECBやユーロポールと協議しているとも明かしていた。
ECBによると、発行の停止後も500ユーロ紙幣は法定通貨として使用可能。ユーロ導入国の中央銀行で他の紙幣や硬貨との交換が無期限で出来る。