配車サービスで人種差別か、解約率や待ち時間に差 米調査
ニューヨーク(CNNMoney) 米配車サービス「ウーバー」や「リフト」の運転手は、顧客の人種や性別によって対応を変えているとの研究結果を、米マサチューセッツ工科大学(MIT)などの共同チームが31日に発表した。
MITとスタンフォード大学、ワシントン大学の教授らがシアトルとボストンの2都市で実験を行い、1500件の利用例を比較した。参加者はルートやスマートフォンの機種などをそろえて配車を依頼し、車が手配できるまでの待ち時間や実際の乗車時間、到着時間などを記録した。
ウーバーとリフトはともに一般市民が契約運転手として登録し、自家用車を使って送迎サービスを提供する形式だ。配車を依頼すると、リフトの運転手には依頼者の名前と写真が表示される。ウーバーの運転手は依頼を引き受けた後で相手の名前を知らされるが、依頼者の外見や目的地は実際に乗せるまで分からない。いったん引き受けた依頼をキャンセルした運転手には、都市ごとに規定された金額が科されることになっている。
研究を率いたMITのクリストファー・ニッテル教授は「差別が見つからないことを願って研究を始めたが、実際にははっきりした差別がみられた」と話す。
ボストン市内のデータで、ウーバーの運転手が相手の名前を知ってからキャンセルした率を比較すると、「アフリカ系に聞こえる名前」は「白人に聞こえる名前」の2倍に上っていた。ウーバーの車が手配されるまでの待ち時間は、黒人のほうが白人より30%長かった。