米航空業界、客足に回復の兆し コロナ前の水準には遠く
ワシントン(CNN Business) 米国の旅客機の利用客について回復の兆しが見え始めた。ただし、新型コロナウイルス感染前の水準には依然として近づいていない。
空港の保安検査場を通過した人の数は1カ月前と比較して約2倍となった。米運輸保安庁(TSA)によれば、先週末に保安検査を受けた人の数は約94万9000人。5月最初の週末の検査人数は47万6000人だった。
アメリカン航空によれば、直近の週末の利用客は、メモリアルデー(戦没者追悼記念日)の時期よりも多かった。メモリアルデーは5月の最終月曜日で夏の旅行シーズンの始まりとされる。
旅行客は増えつつあるが、新型コロナウイルスが業界に与えた打撃は前代未聞のものだった。5月の最も忙しい日の旅行客は前年比で14%の割合にとどまった。
航空業界には連邦政府から多額の支援が行われているが、航空各社は従業員数の削減に言及している。一部の航空会社は希望退職制度を設けている。
業界団体のエアラインズ・フォー・アメリカによれば、国内便の週末の乗客数は平均47人で5月初めの同17人から増加している。
この水準の乗客数では不採算だが、より多くの乗客を乗せることで離着陸のたびに発生する資金の減少は抑えられるようになるだろう。しかし、満席のフライトが増えつつあり、小型機の機内で人と人との距離を保つことが新たな課題となっている。空席がない機内の写真がSNSに投稿されて注目を集める出来事もあった。