希少なハリモグラの赤ちゃん誕生、30年の努力結実 豪
(CNN) オーストラリア・シドニーの動物園でこのほど、約30年の努力が実って希少なハリモグラに3匹の赤ちゃんが誕生した。
ハリモグラの赤ちゃんは先週、シドニーにあるタロンガ動物園に完成したばかりの繁殖施設でデビューした。実際に生まれたのは8月だが、ハリモグラは身を守るための針や体毛が生えそろうまで母親の袋の中で成長する。
動物園などで飼育しているハリモグラを繁殖させることは極めて難しい。タロンガ動物園の専門家によれば、野生の個体は生息地が失われて減少しつつあるという。野生のハリモグラが人前に姿を見せることは滅多になく、繁殖の生態を観察することはほぼ不可能とされる。
このため動物園での赤ちゃん誕生は極めて貴重。飼育係によれば、「母親は3匹ともよく赤ちゃんの面倒を見ている。特にスパイクという母親は本当に面倒見が良く、2日ごとに赤ちゃんに餌をやりに戻ってくる」という。
動物園ではハリモグラの様子を観察して、成長や発達などの生態について理解を深めたい考え。ハリモグラは1日のほとんどの時間を眠って過ごし、地中30センチの深さに巣をつくることもある。「ただ眠ってすべてのエネルギーを成長と発達のために使う」という。
赤ちゃん3匹の名前はまだ未定。タロンガ動物園はフェイスブックで一般から候補を募っている。