22億円かけた月探査レース、勝者ないまま終了
サンフランシスコ(CNNMoney) 米グーグルがスポンサーとなってロボットの月面着陸を目指していた月探査レースが、どのチームも賞金を受け取らないまま終了になった。同レースを主催する非営利団体のXプライズ財団が発表した。
同レースには5チームが最終選考まで勝ち残っていたが、大賞の2000万ドル(約22億円)や、別の賞金1000万ドルは、いずれのチームも獲得できなかった。
Xプライズ財団によると、いずれのチームも3月31日の期限までに打ち上げの見通しが立たなかったことに加えて、資金調達が難しく、技術面や規制面での課題も浮上したことから、レースの終了を決めた。
今後の対応については検討中で、グーグルに代わるスポンサーを探すかもしれないとしている。
レースの目的は、民間による宇宙旅行の起業を促すことにあった。これまでに成功した月探査プロジェクトは、すべて国家が資金を拠出していて、目的は科学研究にあった。
これに対して、もし民間宇宙旅行が実現すれば、月を拠点とする観光や採掘などのプロジェクトにも道が開ける。
今回のレースでは、無人宇宙船を月に着陸させて、月面を500メートル走行させ、映像と写真を地球に送信することに成功したチームに賞金が贈呈されるはずだった。
期限は何度か延期されていたが、Xプライズによれば、グーグルから贈呈される賞金は3月までで無効になる。
レースに参加した5チームは、今後も月を目指す可能性があり、Xプライズでは、たとえ賞金がなくてもチームを応援するとしている。
このうち「シナジー・ムーン」のチームは、今も年内に月を目指す計画を進めているほか、非営利団体と連携して年内に有人宇宙飛行を実現させたい意向。