インフル予防接種、効果は36%止まり 米当局
インフルエンザが依然として猛威を振るう中、米疾病対策センター(CDC)は15日に発表した報告書で、予防接種の効果はインフルエンザA型に対してもB型に対しても、36%にとどまることを明らかにした。
保健福祉省のアザー長官は同日、「予防接種をしていた場合、インフルエンザにかかって医者にかからなければならない確率は36%減る」と強調した。
一方、幼児の場合、予防接種によってインフルエンザに感染する危険を59%減らすことができると同長官は指摘、「予防接種はシートベルトを締めるのと同じ。予防接種を受けていれば、たとえインフルエンザにかかったとしても重症化して入院しなければならなくなる可能性は小さくなる」と強調している。
米国では今シーズンのインフルエンザで、これまでに子ども63人が死亡した。専門医によると、このうち4分の3は予防接種を受けていなかったという。
CDCによると、今シーズンのインフルエンザは69%がA型のH3N2ウイルスに起因する。H3N2は重症化しやすいのが特徴だが、シーズン半ばの時点でH3N2に対するワクチンの効果は25%にとどまるという。
H3N2に対するワクチンの効果はカナダではさらに低い17%、オーストラリアはシーズン終盤でわずか10%だった。
それでも幼児の場合、ワクチンはH3N2に対しても51%の効果があると専門家は指摘する。 米国のインフルエンザは昨年10月から流行が始まって11月初旬に症例数が増え、12月から今年2月3日にかけて急増した。大半を占めているのはH3N2だが、A型のH1N1やB型も全米で流行している。