ザトウクジラ100頭以上が船を取り囲む希少な現象、豪州沖で撮影
オーストラリア農業・水資源省によると、同国沿岸部では毎年4月~11月にかけ、南極圏から北上するクジラの群れが姿を見せる。南極圏で夏を過ごしたクジラたちは、温暖な海域に移動して繁殖する。
年間の移動距離は1万キロに及ぶこともあり、バイロンベイなど沿岸の町にはホエールウォッチングの見物客が詰めかける。
ミラーさんは、今年目撃したクジラは餌を食べる量が相当増えていたと話し、おそらく餌が不足しているためだろうと推測。「私たちの乱獲によって、南極圏でクジラの食糧源が枯渇している」と指摘する。
海洋生物に詳しい香港大学のデービッド・ベイカー准教授は「世界の漁業が魚群やオキアミといったクジラの餌を枯渇させ、個体数の回復に重大な影響を及ぼす可能性がある」「気候変動も、北大西洋のセミクジラなど深刻な絶滅の危機に瀕(ひん)している種の回復を妨げている」と警鐘を鳴らしている。