日本の月探査機「SLIM」、予期せぬ姿勢で着陸も最初の月面画像公開 JAXA
JAXAは着陸後のSLIMと連絡が取れたとして、月面のSLIMから送信された最初の画像を公開した。
画像はマルチバンド分光カメラで捉えたSLIM周辺の風景で、257枚撮影。チームはこれらの画像を解析し、写り込んだ岩にはそれぞれ興味深いニックネームをつけて大きさの推計などを行っている。
SLIM搭載マルチバンド分光カメラが捉えた月面の画像の拡大図。観測対象の岩石に愛称をつけた/JAXA/Ritsumeikan University, The University Of Aizu
SLIMが再起動すれば、着陸地点についてより詳しく観察できるようになるとみられる。
SLIMが着陸したクレーターは、「神酒(みき)の海」と呼ばれる月の表側の地形に位置する。
JAXAは着陸中の異常やメインエンジンの推進力喪失の原因について、現在調査中だとしている。
着陸前、SLIMは小型観測機「LEV―1」「LEV―2」の放出にも成功していた。LEV―1は跳躍(ホッピング)しながら移動する仕組みで、広角レンズのカメラやアンテナなどを搭載。地球との通信が可能となっている。
「SORA―Q」の愛称で知られるLEV-2もカメラを備え、機体を変形させることで月面を移動することができる。