コンゴ民主共和国でエボラ流行 2人の感染確認
(CNN) 世界保健機関(WHO)によると、コンゴ民主共和国(旧ザイール)政府が8日、エボラ出血熱の流行を宣言した。
エボラの流行宣言は、同国北西部のビコロ地区で2人の感染が確認されたことを受けた措置。これまでの5週間で21人に感染の疑いがあり、うち17人が死亡した。
エボラウイルスの大部分は、サルやゴリラ、チンパンジーなどの霊長類に感染する。野生動物から人へも感染し、人から人への感染も確認されている。死亡率は平均で50%前後に上る。
WHOは、感染者と接触した人の追跡調査を行うとともに、地域社会と連携して予防対策についての啓発に努めるなど、現地の衛生当局や人道支援組織「国境なき医師団」と連携しながら対応を支援する。
コンゴ民主共和国ではエボラの流行が繰り返されており、1976年にエボラウイルスが発見されて以来、今回で9度目の流行となる。前回は2017年に北部で発生したが、政府とWHOなどが連携して対応に当たったことにより、早期に終息した。
WHOは今回の感染が確認されたことを受けて近隣諸国に通知し、専従で対応に当たる職員配置などの態勢を整えるとともに、感染の拡大を食い止めるために準備金から100万ドルを拠出した。
感染が確認されたビコロ地区はトゥンバ湖に面していて、隣国コンゴ共和国との国境にも近い。新規の症例は、ビコロから30キロほど離れた小規模の医療機関から報告された。