ロンドンの大気汚染、五輪選手の記録に影響の可能性も
(CNN) ロンドン五輪開幕が数日後に迫るなか、ロンドン市内の大気汚染を懸念する声が上がっている。選手らの記録が影響を受ける可能性もあるという。
北京五輪では大気汚染対策として、自動車の交通量をほぼ半減させる規制が実施された。米アレルギーぜんそく免疫学会(AAAAI)のアレルギー専門医、ウィリアム・シルバーズ博士によると、ロンドンの大気中の窒素酸化物濃度は規制前の北京と同じレベルなのに、対策はほとんど取られていない。
シルバー博士によると、スポーツ選手には運動誘発性気管収縮(EIB)という症状がよくみられる。運動中やその後に気管が狭くなってせきや胸の痛み、呼吸困難などが現れる。スポーツ選手の5人に1人、五輪選手の6人に1人がEIBを抱えていると、AAAAIは推定する。
汚染された大気の中で運動するとEIBの症状が悪化し、競技に悪影響を及ぼす恐れがあるという。EIBはマラソン選手らに特に多く、順位が変わってしまう可能性さえある。シルバーズ氏は、競技開始前に選手の健康状態をチェックすることが重要だと話している。