大坂なおみ選手、3カ月ぶりの会見 涙見せ一時中断
(CNN) 女子テニスの大坂なおみ選手が16日、全米オープンの前哨戦、ウェスタン・アンド・サザン・オープンへの出場を前に、約3カ月ぶりの記者会見に応じた。質疑の途中で涙を見せ、会見を数分間中断する場面があった。
大坂選手は試合会場のある米オハイオ州メーソンから、オンラインで報道陣との質疑応答に臨んだ。5月の全仏オープンで記者会見を拒否し、大会主催者に罰金を科されて棄権を表明してから約3カ月ぶりの会見。同選手は当時、長期にわたりうつ状態に苦しんできたと告白していた。
16日の会見ではまず、心の健康と記者会見への出席をめぐるやり取りがあった。続いて今シーズンへの準備や、父の出身地ハイチで起きた地震についての質問に答えている最中に顔をぬぐい、帽子を深くかぶり直すしぐさを見せた。記者が謝ると、本人は相手のせいではないと答えたが、司会者が休憩を提案した。大坂選手は数分後に再登場し、最後まで会見に応じた。
大坂選手が涙を見せる前に、地元紙シンシナティ・エンクワイヤラーのコラムニストが、「あなたはこういう形で私たちの相手をすることに乗り気でないが、ほかの面でメディアという舞台が都合の良いことも多い。この2つのバランスをどう取るのか」と質問していた。
大坂選手は質問の意味を聞き返し、「それは興味深い」と答え始めて言葉を止めた。司会者は次の質問に移るかと尋ねたが、「その見方には本当にとても興味がある。もう一度繰り返してもらえれば」と続けた。
コラムニストがさらに質問を繰り返したのに対し、自分のツイートや発言がニュースになるのはこれまでにテニスの大会で活躍し、記者会見の機会がたくさんあったからだということを認識していると述べた。そのうえで「両方のバランスを取る方法はよく分からない。あなたと同時に私も答えを探している感じ」と話した。
大坂選手のエージェント、スチュアート・ドゥグッド氏はこのコラムニストに対して、選手とメディアの間に生じている問題を体現した「いじめの加害者」だと断じる声明を出した。威嚇することだけを目的とした口調で、大坂選手のコート外での活躍はメディアのおかげという勝手な思い込みをほのめかしたと非難した。
このやり取りに先立ち、別の記者が大坂選手に、メディアが敗者にインタビューする場面などへのアドバイスを求めた。大坂選手は「よく知らない相手がとてもデリケートな質問をしてくるようなことがある。特に負けた後は、それが少し増幅される」と語った。
選手が不調な時は記者会見を欠席し、メールなどで質問に答えられるようなルールがあればいいかもしれないとも提案した。