タッカー・カールソン氏、ツイッターでの番組立ち上げ計画を発表
ニューヨーク(CNN) 右派の立場からの過激な言論で知られるタッカー・カールソン氏が9日、自身の番組をSNSのツイッターで立ち上げると発表した。その上でツイッターについて、広範な言論の自由を認めるプラットフォームとして世界で唯一残った存在だと称賛した。
同氏は人気番組の司会を務めていたFOXニュースを先月下旬に解雇された。
カールソン氏の発表はツイッターへの動画投稿の形で行われた。ツイッターは富豪のイーロン・マスク氏が昨年買収している。
カールソン氏は「言論は民主主義の基礎となる必須条件だ。だからこそその権利は、我が合衆国憲法の修正第1条に明記されている」「驚くべきことに、今夜の時点で言論の自由を認めるプラットフォームはそう多く残っていない。最後まで食い下がっている大物が、ツイッターというわけだ」と語った。
動画の中でカールソン氏は既存のニュースメディアを悪者扱いし、ジャーナリストらを糾弾。しばしば自分たちの言説にそぐわない事実を排除していると非難した。ただマスク氏もツイッターでの言論を検閲していることには触れなかった。マスク氏は昨年、複数の有力記者をサイトから締め出すといった措置を取っている。
FOXニュースからの突然の解雇には直接言及しなかったものの、動画でのカールソン氏の発言はそれを強く暗示する内容だった。
「ニュース業界にいて現段階で希望し得る最上のことは、事実を可能な限り余すところなく伝える自由だ。しかしながらそこには、常に制限がある」「周知のように、そうした制限と衝突する機会が多くなればいずれ解雇される。当て推量で言うのではなく、確実な話だ」と同氏は主張した。
FOXコーポレーションのルパート・マードック会長の支配下にある米紙ウォールストリート・ジャーナルが先月報じたところによると、カールソン氏がFOXニュースと結んでいた契約は年間約2000万ドル(約27億円)規模。報道ではこの全額がカールソン氏に支払われる見通しだったが、ツイッターで番組を立ち上げる場合、これらの報酬を最終的に受け取れるかどうかは危うくなる可能性がある。
この問題について、現時点でFOXコーポレーションの広報担当者からコメントは得られていない。