Architecture

米NYの超高層ビル、66階にバスケもできる屋外娯楽施設

66階にあるバスケットボールコートのイメージ図

66階にあるバスケットボールコートのイメージ図/Gabriel Saunders

(CNN) 「世界で最も高くジャンプができるバスケットボールコートはどこか知ってる?」ニューヨーク市ブルックリン区に最近誕生した超高層ビル「ブリックリンタワー」の住民は、このセリフを自慢げに言う権利が与えられる。

ダウンタウン・ブルックリンにあるこのブリックリンタワーは、93階建て、高さ約325メートルで、ブルックリン区初のスーパートール(高さ300メートル以上の超高層ビル)だ。このタワービルの66階にあり、間もなくオープンする娯楽スペース「スカイパーク」がCNNに初公開された。このスペースには、バスケットボールコート、ドッグラン、子ども用の遊び場などがある。このビルを開発したJDSディベロップメント・グループによると、スカイパークは地上約192メートルに位置し、西半球にある同種の施設としては、最も高所に位置するものになるという。

このビルの設計を手がけた建築事務所SHoPによると、これらの設備(2024年にオープン予定)は、本来建物の揺れを減らすために何も設置せず、空の状態にしておくフロアに設置されているという。

SHoPの創設者、グレッグ・パスクアレリ氏はビデオ通話で「風の影響を抑えるために設けられるこれらのフロアも有効活用が可能だ」とし、「だから我々は(このスペース)を利用することにした」と付け加えた。

娯楽スペース「スカイパーク」にはドッグランや子ども用の遊び場も用意される/Gabriel Saunders
娯楽スペース「スカイパーク」にはドッグランや子ども用の遊び場も用意される/Gabriel Saunders

スカイパークは屋根付きの屋外施設なので、1年で最も寒く、風の強い日の利用は避けた方がいいだろう。しかしパスクアレリ氏は「タフなニューヨーカーたち」なら、「ほぼ一年中」このコートでプレーできるだろうと述べた。

パスクアレリ氏やSHoPのチームが発案した注目すべきバスケットボールコートは、このスカイパークのコートだけではない。彼らは10年から12年にかけて、ブルックリンにある世界的に有名なバークレイズ・センターを設計した。ここは、米プロバスケットボール(NBA)ブルックリン・ネッツの本拠地で、ブリックリンタワーから徒歩10分ほどの距離にある。

パスクアレリ氏は「(スカイパークのコートを設計する際に)バークレイズ・センターを設計した時の経験からヒントを得たのは確かだ」とし、二つのコートの「雰囲気」や配色は似ていると語る。しかし、ブルックリンタワーは、20世紀に建設され、ニューヨーク市の歴史建造物(ランドマーク)にも指定されているダイム貯蓄銀行の視覚的影響を忠実に受け継いだ設計となっているという。

現在ダイム貯蓄銀行は、ブルックリンタワーの一部となっている(ブルックリンタワーが誇るもう一つの施設が、ダイム貯蓄銀行のドームの周りに作られた屋上プールで、これも来年に完成予定だ)。

ブルックリンタワーでは、住民の入居が始まっている/Evan Joseph
ブルックリンタワーでは、住民の入居が始まっている/Evan Joseph

JDSディベロップメント・グループは、16年に、当時使用されていなかったダイム貯蓄銀行の建物を9500万ドルで購入し、18年に建設が始まったブルックリンタワーに隣接する1階の小売りスペースに転用した。

ブルックリンタワーの住民らは今年、この総工費7億5000万ドルのタワービルへの入居を開始したが、各種施設はまだ建設中で、最後の仕上げも残っている。

ブルックリンタワーは、そのそびえるような高さから、条線の入った黒いステンレス鋼を使った大胆なエクステリアに至るまで、ブルックリンの建築に顕著な影響を与えている(ニューヨーク・ポスト紙は今年5月、ブルックリンタワーはまるで人気映画「ロード・オブ・ザ・リング」に登場するサウロンの要塞<ようさい>のようだと表現した、ある近隣住民の言葉を引用した)。

パスクアレリ氏によると、ブルックリンタワーの周辺には他に超高層ビルがないため、スカイパークやラウンジからの眺めは最高で、マンハッタンのスカイラインや数キロ先に広がる大西洋が一望できるという。

「晴れた日には、海がすぐ近くに見える。海からはかなり離れているが、まるで海辺の物件のように感じる」とパスクアレリ氏は言う。

ブルックリンタワーの住民は、このスカイパークで、日の出から日没まで、ニューヨーク市のランドマークたちを背に、リラックスしたり、愛犬の散歩をしたり、バスケットボールを楽しむことができる。ゲストパスが利用可能なら、ブルックリンタワーの住民と友人になるチャンスだ。

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