Architecture

オマーンが大規模なウォーターフロント開発計画、総工費2000億円

中東オマーンで広大なウォーターフロントの開発が計画されている

中東オマーンで広大なウォーターフロントの開発が計画されている/Oman Ministry of Housing and Urban Planning

(CNN) 中東オマーンの首都マスカットで、総工費13億ドル(約2000億円)の広大なウォーターフロント開発が計画されている。設計を手掛けるのは、世界的に有名な建築設計事務所ザハ・ハディド・アーキテクツ(ZHA)だ。

総面積330万平方メートルのアル・クワイア・マスカット・ダウンタウン・アンド・ウォーターフロント開発には、居住地区、マリーナ、文化地区、多くの運河沿い遊歩道、政府庁舎地区などが含まれる。2024年末に着工予定で、完成すれば6万人以上が居住する見込みだ。

ZHAの副所長で建築家のパオロ・ジリ氏はCNNに対し、オマーンの住宅・都市計画省に提出した模型を仕上げるのに約1年を費やしたと語った。

ジリ氏の設計の柱は、公共交通機関へのアクセスの容易化だ。「車とフェンスをすべて取り除き、家族や新世代の若者を引き付ける多くの機能を備えた住宅・都市計画省のキャンパスを建設するというのがこの設計のビジョンだ」とジリ氏は言う。

ZHAは、日陰や受動冷却を提供して歩行を奨励するとともに、サイクリングの安全性を高めるインフラを導入するとしている。また現地の太陽光発電を最大限に活用し、自生植物種の保存・復元も行う。

総面積は330万平方メートルに及ぶ/Oman Ministry of Housing and Urban Planning
総面積は330万平方メートルに及ぶ/Oman Ministry of Housing and Urban Planning

オマーン経済は長らく石油に依存してきたが、現在は国家戦略「ナショナルビジョン2040」の一環として、海外から投資をさらに呼び込むために不動産プロジェクトに大規模な投資を行い、最終的に石油以外からの収入の増加を目指している。マスカットでは、40年までに人口が現在の150万人から270万人に増加すると見込まれている。

オマーンのハルファン・ビン・サイード・ビン・ムバラク・アル・シュアイリー住宅・都市計画相はCNNに対し、「(オマーンでは)多くの変化が起きている」とし、「我々は、才能や能力、そして恐らくデジタルセクターを基に経済を変えていく」と付け加えた。

「マスカットでは、今後さらに30万戸の住宅が必要になると予想している。そして経済が好調なら、(住宅需要は)60万戸に拡大する可能性もある」(シュアイリー氏)

英国に拠点を置くザハ・ハディド・アーキテクツの社名は、04年に女性として初めて建築界の最高の栄誉であるプリツカー賞を受賞した伝説的創業者ザハ・ハディド氏にちなんで名付けられた。ハディド氏は16年に死去したが、中国の広州オペラハウスやドイツ・ボルフスブルクのファエノ科学センターなど、多くの有名な建築物を設計した。ハディド氏の死後、ZHAが設計した建物の一つがアラブ首長国連邦のシャルジャにあるBEEAHグループの本社屋だ。この建物は、テスラのバッテリーパックで電力需要の一部をまかなっている。また22年にはメタバース内に仮想都市を建設する計画を発表した。サイバーリバタリアン(自由主義者)たちのユートピアを目指すとしている。

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