1989年に起きた中国の天安門事件から30年を迎えるのを前に、事件で有名になった「戦車男」のアート作品が台湾に登場した。
報道によれば、国立中正紀念堂の前に登場した作品は台湾のマルチメディアアーティスト、シェークさんが手掛けた。
1989年の天安門事件では、中国軍が民主化を求めて天安門広場に集まっていた人々を鎮圧したが、今回のアート作品は、北京の道路を走行する戦車の前に身元不明の男性が立ちふさがった場面を再現した。民主化デモ鎮圧による死者数は推計で数百人とも数千人ともいわれる。公式な死者数は発表されていない。
中国国外では、「戦車男」は20世紀を代表する象徴的なイメージのひとつだ。男性が戦車の前に立ちふさがる様子は、米国人写真家のジェフ・ワイドナーさんが近くのホテルのバルコニーから捉えた。男性は、戦車の砲塔によじ登り、中の兵士に話しかけ、その後、戦車から降りていた。
Credit: SAM YEH/AFP/AFP/Getty Images
ワイドナーさんが撮影した画像はまたたく間に世界中に拡散し、血が流れた鎮圧の最も知られたシンボルとなった。