(CNN) フランス・パリのルーブル美術館で28日、抗議活動家が名画「モナリザ」にスープを浴びせかけた。絵画はガラスケースに守られて無事だった。
環境団体リポスト・アルメンテール(「フード・レスポンス」の意味)は、同団体の活動にかかわる抗議運動家2人が破壊活動に関与したと発表した。
ルーブル美術館は、モナリザの展示室「国家の間」にいた人を避難させ、その後展示室を再開した。
同美術館は「2024年1月28日日曜午前10時ごろ、環境活動団体『リポスト・アルメンテール』の活動家2人が、モナリザを保護している強化ガラスにパンプキンスープを浴びせた」との声明を発表した。
「ルーブルの警備員が直ちに介入した」
同美術館は被害を届け出たとしている。
フランスのラシダ・ダティ文化相はX(旧ツイッター)への投稿で、今回の抗議活動を非難。「モナリザは我々の遺産と同様に未来の世代のものだ。モナリザを標的とすることを正当化する大義はない!」と述べた。
ダティ氏は「わたしはルーブル美術館のスタッフを全面的に支援する」と言い添えた。ダティ氏は今月初め、新首相となったガブリエル・アタル氏によって起用された。
ルーブル美術館に展示されているレオナルド・ダビンチの名画モナリザは世界一有名な絵画。毎年数百万人が鑑賞に訪れ、高さ76センチ、幅61センチしかないこの小さな作品の前で写真を撮ろうと行列をつくる。
謎めいたこの肖像画は、破壊行為や盗難と無縁ではなかった。
1911年にはルーブルの職員に盗まれて世界的な注目を浴び、50年代にはカンバスの下部が酸で攻撃された。これをきっかけに美術館は作品を強化ガラスで覆うなどの保護対策を強化した。
2009年には女性が怒りに任せて陶器のカップを投げ付けた。カップは割れたが作品は無事だった。
22年には、来場者が同作品の強化ガラス一面にケーキを塗り付けた。