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プーチン氏が贈った謎のトランプ氏肖像画、制作者が詳細明かす

モスクワ(CNN) ロシアのプーチン大統領は3月、トランプ米大統領に謎の肖像画を贈った。

この絵を届けたのは米国のウィトコフ中東担当特使で、同氏はポッドキャスト番組司会者のタッカー・カールソン氏とのインタビューでこの絵について「ロシアの著名な芸術家」が描いた「美しい肖像画」と評した。

ウィトコフ氏はさらに、トランプ氏が「明らかに感動していた」と付け加えた。

しかし、肖像画自体が公表されることはなかった。

クレムリン(ロシア大統領府)から依頼を受け、この絵画を制作した人物が今回、CNNに独占的に肖像画を見せてくれた。

トランプ氏に贈呈されたこの絵画は、2024年7月にペンシルベニア州バトラーで行われた集会でトランプ氏が暗殺されそうになった後、演台で拳を突き上げる様子を描いている。クレムリンはCNNに対し、この作品がロシアで特に著名な芸術家の一人であるニカス・サフロノフ氏のものであることを確認した。

ニカス・サフロノフ氏が描いた、暗殺未遂後に拳を突き上げるトランプ米大統領/Press-service of Nikas Safronov
ニカス・サフロノフ氏が描いた、暗殺未遂後に拳を突き上げるトランプ米大統領/Press-service of Nikas Safronov

サフロノフ氏はロシア首都モスクワでCNNに「命を狙われたときの血、傷痕、そして彼の勇敢さを表現することが私にとって重要だった。彼は崩れ落ちたり、恐れたりすることなく、自身が米国とともにあり、米国にふさわしいものを取り戻すと腕を上げて示した」と語った。

サフロノフ氏は世界の指導者の肖像画を多く手がけており、故ローマ教皇フランシスコをはじめ、インドのモディ首相や北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記など数十人を描いてきた。

サフロノフ氏は、トランプ氏の肖像画について「何人かが訪ねてきて、『私が見ているトランプ氏を描いてほしい』と言った」と語る。「詳細を語らない顧客もいる」ため、当初は「訪問者たち」が誰なのか分からなかったものの、クレムリンではないかと考えたという。

「肖像画を描き始めたとき、これが両国の距離を縮める可能性があると気づいたので、この絵の目的を考え、料金は請求しないことに決めた」(サフロノフ氏)

その後、プーチン氏本人から連絡があり、トランプ氏を称賛したこの肖像画は、米ロ関係改善に向けた重要な一歩になると言われたという。

クレムリンはコメントの要請にただちには応じなかった。

プーチン氏からトランプ氏に贈られたこの肖像画は、ホワイトハウスのエントランスホール「グランド・ホワイエ」に飾られている絵画に似ている。ここには以前オバマ元大統領の公式肖像画が飾られていた。

顔から血を流しながら右手の拳を突き上げるトランプ氏の劇的な肖像は、大統領選を通じて力強さの象徴となった。

原文タイトル:Russian artist reveals mystery Trump portrait gifted by Putin to the US president(抄訳)

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