第70回ミス・ワールドの大会がこのほど行われ、ポーランド代表のカロリーナ・ビエラフスカさんが栄冠に輝いた。今回は出場者も運営側もロシアからの侵攻を受けているウクライナとの連帯を表明。フィナーレとして、ステージ上でキャンドルを掲げる様子などがテレビ放送された。
優勝したビエラフスカさんは、モデルとして活動しながら修士号の取得も目指している。プエルトリコの首都サンフアンで開かれた今回の大会は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で3カ月延期されていた。準優勝は米国代表のシュリー・サイニさん。コートジボワール代表のオリビア・ヤセさんが3位でこれに続いた。
通常のパフォーマンスと審査のほか、きらびやかな式にはロシアによる一方的な侵攻を受けたウクライナを支援するメッセージも盛り込まれた。ウクライナはポーランドと国境を接している。2019年のミス・ワールドに輝いたジャマイカのトニアン・シンさんが、セリーヌ・ディオンとアンドレア・ボチェッリの楽曲「The Prayer」を披露した場面では、ステージ上や客席の人たちがキャンドルを高く掲げた。
「The Prayer」を歌う2019年ミス・ワールドのトニアン・シンさん/Ricardo Arduengo/AFP/Getty Images
ファイナリストたちの背後のスクリーンには、「a prayer for peace(平和への祈り)」という言葉が映し出された。ミス・ワールドの公式ツイッターアカウントは、こうした演出について、「ウクライナに寄り添う」取り組みの一環と説明した。運営側によれば事前に7000本以上のキャンドルを用意したという。大会の模様は100カ国以上で放送された。
大会前に発表された声明の中で、ミス・ワールドのジュリア・モーリー最高経営責任者(CEO)は、「何かをしなくてはならない。たとえ1本のキャンドルに火を灯(とも)すだけでは全く足りないように思えても、私たち全員が一緒に灯せば、世界を変えられる」と述べた。そのうえで世界中の人々に向けて、「ウクライナのためにそれぞれの明かりを照らし」、その画像をソーシャルメディアに投稿するよう呼び掛けた。
今週初め、ミス・ワールドの運営側は16年のミス・ウクライナ、オレクサンドラ・クチェレンコさんからのビデオメッセージを公表した。加工した背景に紛争の様子を流しながら、クチェレンコさんは世界中の国々に対し、こう訴えている。「私たちを支援してください。ウクライナの上空を飛行禁止とし、世界を核の大惨事から救ってください」「私たちの平和は、あなた方の平和です」
現ミス・ウクライナのオレクサンドラ・ヤレムチュクさんは、今回のファイナルに進出できなかった。運営側によると現在キエフにいるという。
優勝したビエラフスカさんは、モデルとして活動しながら修士課程の取得も目指している/Ricardo Arduengo/AFP/Getty Images
当初は昨年12月に開催予定だった今回のミス・ワールドだが、数日前に関係者の多くが新型コロナで陽性となったため延期を余儀なくされた。出場者も97人中23人が陽性だった。
セミファイナルに進んだ40人だけが、仕切り直しとなった今月16日の大会に招待された。司会は英国人の歌手でテレビパーソナリティーのピーター・アンドレさんとメキシコ人の歌手・俳優、フェルナンド・アレンデさんが務めた。
予備的なコンテストはこの時点ですでに実施されていた。前出のヤセさんはトップモデル部門で優勝。モンゴル代表のブルテウジン・アヌさんはミス・ワールド・タレントの競争を制し、メキシコ代表のカロリーナ・ビダレスさんはミス・ワールド・スポーツに選ばれた。