機内での携帯電話「使用解禁を」 米連邦通信委が提言
ニューヨーク(CNNMoney) 米連邦通信委員会(FCC)は10日までに、旅客機内での携帯電話などの使用を解禁すべきだとの見解を表明した。携帯電話などの電子機器が日常生活に浸透していることに加え、従来言われていた電波の干渉が実証されていないことが背景にある。
FCC委員長は7日、米連邦航空局(FAA)に対して、機内で携帯電話などの電子機器の使用を制限している規定を緩和すべきだと提言。FAA幹部に宛てた書簡の中で、「携帯端末は私たちの日常生活の一部になっている」「友人や家族との連絡や、企業の生産性と効率性向上を助け、経済成長と米国の競争力強化を後押ししている」と強調した。米ニュースサイト「ザ・ヒル」が伝えた。
過去20年以上にわたる実験でも、携帯電話など電子機器の電波が航空機の計器に干渉することは実証されていない。それでも乗客はいまだに、離発着時の電子機器の使用を禁じられている。
FCCは8月に、欧州で実施した機内での携帯電話使用に関する調査報告書を発表し、携帯電話の電波が直接的に干渉した事例は確認できなかったと結論付けた。ベルギーでは2件の異常が発生したが、原因は特定できていない。飛行中も携帯電話のスイッチを切らなかった乗客は多数いたにもかかわらず、携帯電話の電波干渉との関連が裏付けられた問題は報告されなかった。
機内での携帯電話使用禁止規定を廃止するよう求める意見は何年も前からあった。
一方、航空機メーカー大手のボーイングは、携帯電話や電子機器を使用すると計器に異常が生じると主張してきたが、その状況を再現することはできていない。